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非嫡出子とは?

今世間を騒がせている「京都紅茶王遺産相続争い」
この報道では非嫡出子という言葉がよく出てきます。
メディアに出演している被相続人の娘さんがこの非嫡出子にあたるのですが、
では非嫡出子とは何でしょうか?相続とどういう関係があるのでしょうか?

非嫡出子とは婚姻関係にない男女の間に生まれた子のことをいいます。
最近では婚外子という言い方がされることもあります。
非嫡出子は母親から見れば自分のお腹を痛めて生んだ子ということで
当然に親子関係が発生しますが、父親の場合は自ら認める必要があります。
これを認知といいます。
つまり父親とは認知があって初めて親子関係が成立=相続権が発生するわけです。
また認知により父親と非嫡出子の戸籍にも親子関係の記載がなされます。
ですから非嫡出子が父親の遺産を相続するためには認知が必要であり、
この認知は父親の死亡後3年以内であれば裁判所に認知の訴えをすることもできます。

今回の相続争いでいうと、京都の紅茶王である被相続人は男性ですから、
生前に認知あるいは遺言書での認知が行われていたことになります。
また、婚姻関係にある女性との間で生まれた子(嫡出子)が5人いたようですので、
相続権を所有する子は6人存在することになります。
ちなみに非嫡出子の母親は婚姻関係にないので通常相続人にはなりません。

では嫡出子と非嫡出子(認知済)で相続において何か違いはあるのでしょうか?
結論からいいますと、違いはありません。
実は以前は非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1とするという法律(民法900条4号ただし書き)
により非嫡出子は嫡出子の半分しか財産を相続する権利がありませんでした。
ところがこの民法の規定は法の下の平等という憲法に違反しているという訴えがあり、
平成25年9月4日、最高裁判所によりこの訴えが認められました。
これにより民法900条4号ただし書きは撤廃され、非嫡出子も嫡出子と同様の相続分となったわけです。

今回の相続争いは相続財産の有無についての争いのようですが、
もしこの判決がなければ非嫡出子の方は今請求している額の半分の権利しかなかったわけです。
相続分でいうと1/11から1/6(配偶者がいないことが前提)に増加しています。
メディアでは相続財産の総額は25億から35億以上と言われてますから、
ものすごい額ですよね。

以上、法律的なお話をさせていただきました。
実際は人間関係が複雑に絡み合っているので、簡単にはいかないのでしょう。

2015/3/24